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第9章:時の鏡、封印か解放か

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2025年・富士山麓 本栖湖「水鏡宮」内部

玲奈と慎吾は、巨大な「時の鏡」の前に立っていた。

鏡の中央には、赤く輝く宝石が埋め込まれている。

影の巫女のリーダーが静かに告げる。

「この鏡を開放すれば、未来が暴かれる……だが、その代償は大きい。」

玲奈は竹簡を握りしめながら、鏡を見つめた。

(本当に、未来が映し出されるの……?)

慎吾が慎重に問いかける。「もし、この鏡の封印を解いたら……何が起こる?」

影の巫女は低い声で答えた。

「歴史が乱れる。運命が狂い、人の世が混乱に陥る。」

玲奈は息を呑んだ。

(未来を知ることができても、それを変えてはいけない……そういうこと?)

その時——

——バンッ!!

突如、遺跡の入り口が爆発音とともに吹き飛んだ。

神無月の戦士たちが、煙の中から姿を現す。

「時の鏡を渡してもらおうか。」

リーダー格の男が、静かに言った。

影の巫女たちが、即座に剣を抜き構える。

「……お前たちに、この鏡を渡すわけにはいかない。」

影の巫女 vs. 神無月、最終決戦——開始!!


最終決戦:鏡の守護者 vs. 神無月

影の巫女たちが素早く動き、神無月の戦士たちと衝突した。

——シュッ!

巫女の一人が鋭い剣技で敵の攻撃を防ぐ。

神無月の戦士たちは、銃火器を持っているが、遺跡の中では思うように使えない。

「玲奈!! 早く決めろ!!」

慎吾が叫ぶ。

玲奈は震える手で竹簡を握りしめた。

(……私は、この鏡を開放すべきなの?)

影の巫女のリーダーが、玲奈をまっすぐに見つめる。

「お前に決める権利がある。」

玲奈は慎吾を見た。慎吾は静かに頷いた。

「玲奈が決めろ。俺は……お前を信じる。」

玲奈は、鏡の赤い宝石をじっと見つめた。


決断の時——封印か、解放か

玲奈は、竹簡の最後の一文を思い出した。

「天が二度裂かれる時、鏡は真実を映し出す。」

(“天が裂かれる”とは、歴史の分岐点……。)

玲奈は、ゆっくりと手を伸ばした。

(私が、これを開放すれば……。)

——世界は変わる。

玲奈は、一度深く息を吸った。

そして——赤い宝石を、そっと押し込んだ。

——カチッ。

その瞬間、鏡がまばゆい光を放った。

「——!!!」

遺跡全体が、白い光に包まれる。

影の巫女も、神無月も、戦いを止め、光の中心を見つめた。

玲奈と慎吾は、光の中へと引き込まれた——。


時の鏡が映し出した“未来”

玲奈と慎吾は、気がつくと白い空間の中に立っていた。

(ここは……?)

目の前に、無数の映像が浮かび上がる。

——未来の東京。
ビル群が崩れ、混乱する人々の姿。

——未来の戦争。
機械化された兵器が、都市を焼き尽くす。

玲奈は息を呑んだ。「これが……未来……?」

慎吾が小さく呟く。

「……俺たちは、見てはいけないものを見てしまったのか?」

その時——

「未来は、まだ決まっていない。」

玲奈は、背後で聞こえた声に振り向いた。

そこには——

「卑弥呼」が立っていた。

玲奈は言葉を失った。

「……あなたが……卑弥呼?」

卑弥呼は静かに頷いた。

「私は、すべての未来を知っていた。だからこそ、この鏡を封印したのだ。」

「歴史は、定められたものではない。人々の選択が、未来を決めるのだ。」

玲奈は拳を握りしめた。

「……私は、どうすればいいの?」

卑弥呼は、優しく微笑んだ。

「鏡を封印しなさい。そして……未来を信じなさい。」

玲奈の目に、涙が滲んだ。

「……分かった。」

最後の決断——封印

玲奈は、ゆっくりと鏡に手をかざした。

私は、この鏡を封印する。未来は、私たちが作るものだから。

——バチン!!

鏡が光を放ち、ゆっくりと閉じていく。

玲奈と慎吾は、光に包まれたまま、現実へと引き戻された——。

2025年・水鏡宮

玲奈と慎吾は、神殿の中央に立っていた。

鏡は、静かに光を失っていた。

影の巫女が、ゆっくりと頷いた。

「……よくやった。」

神無月の戦士たちは、呆然と立ち尽くしていた。

慎吾が玲奈を見た。「……お前が正しい選択をしたんだよな?」

玲奈は、小さく微笑んだ。

未来は、私たちの手で作るものよ。

慎吾は深く頷いた。

影の巫女が、玲奈に向かって深く礼をする。

「お前が、未来を選んだ。この鏡は再び封印される……そして、我らはこの場所を守り続ける。」

玲奈は、竹簡をそっと湖へと沈めた。

「この物語は、私たちの中にだけあればいい。」

湖は静かに波を打ち、朝日が差し込んでいた。

——邪馬台国の秘宝は、永遠に封じられた。

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